第1章 事のはじまり

社会人になって、数年経った頃、2〜3ヶ月に1回、SMクラブに遊びに行くのが楽しみだった。本格的な設備のあるクラブや、ちょっと怪しげな個人営業のところに通った。プレイは、Mプレイ。縛られたり、鞭で打たれたりという、SMでは一般的なプレイを楽しんでいた。
ときには、アダルトショップに行って、SMの道具を見たりした。革の手械や足枷を買ったり、SM雑誌を買って、家で楽しんだりしていた。SM雑誌を見ていると、攻める側より、攻められている側の女の子に自分のイメージを重ねていることに気がついた。次に、アダルトショップへ行ったときに、ガーターとストッキングを買った。それが、初めて女性の下着を身に着けた体験だった。身に着けたときのゾクゾクする快感は、今も鮮明に記憶に残っているくらいだ。
ストッキングを身に着けて、足枷を着けると、ますます興奮が高まっていった。まだ、お化粧をするアイディアは無かった。それでも、十分だった。
その頃、渋谷にあったSMスナックにも遊びに行くようになった。Sの女性とMの男性が集うお店だった。お店の中でのプレイは無く、お話を中心にしたお店だった。月に2回位のペースでお店に通っていた。
ある日、そのスナックに女装させられた奴隷が女王様に連れて来られていた、それを見た瞬間、そういう世界があることを目のあたりにして、それが自分が求めていた世界だと思った。SM雑誌に、女装してプレイをするクラブの広告が出ていたのを思い出した。そして、その翌日、そのSMクラブに予約を入れた。
大久保の路地を入ったところに、そのクラブはあった。ドアのチャイムを鳴らすとき、緊張で膝が震えそうだった。プレイ内容の説明を受けた。お化粧をしてもらい、服を着て、それからプレイという2時間のコースにした。最初にシャワーを浴びることになっていた。シャワーを浴びる為に服を脱いでプラスチックの籠にいれた。何だか男性の服とお別れをするような錯覚に陥った。シャワーを浴び、その次の部屋に入った。下着とワンピースが用意されていた。
パンティ、ブラ、パンストの下着を身に着け、そして、黒のワンピースを着た。そして、化粧台の前に座らされて、お化粧が始まった。ファンデーション、アイシャドウ、チーク、口紅と手際よく化粧をされて、かつらをつけられた。鏡の前には、別の自分が座っていた。初めてのお化粧だった。違和感が無く、気持ちよかった。
そして、別の部屋に連れて行かれた。そこは、プレイルームだった。壁は鏡張りになっていた。プレイルームに入ると、お化粧をしてくれた係りの女性が女王様ルックに着替えて入ってきた。床に正座して、「女王様本日はありがとうございます。ご調教、よろしくお願いします」とお決まりのご挨拶をした。
女王様は、絵夢の両手にロープをかけて、天井から下がっていた滑車に結びつけた。滑車が引かれると、絵夢の両手は高く引き上げられ、鏡の前でつられた状態になった。さらに、左右の足にもロープがかけられて、左右に大きく脚を開いた状態で固定されてしまった。鏡に映った自分の姿を見たとき、ぞくぞくするような快感を感じた。
女王様は、絵夢の身体を触り始めた。後ろから抱かれるようにして、首筋を撫でられたり、乳首を触られたり、脚をなで上げられたりして、ロープをギシギシ鳴らしてしまった。女王様に、「何故感じている?」となじられた。「気持ちがよいのです」とお答えすると、「変態!」とさらになじられて、その言葉で更に感じてしまった。
女王様は、絵夢の後ろに回ると、バラ鞭を手にして戻ってきた。そして、絵夢のお尻に鞭を入れ始めた。両手をつられて、左右に脚を大きく開いて、お尻を突き出した状態で、何度もお尻を鞭で打たれた。気持ちよかった。自分の気持ちが男性としてプレイをしているのではなく、心は女性になっているのが分かった。その間も、鞭は容赦なく絵夢のお尻に当たっていた。
女王様は、絵夢の前に回った。脚のロープを解いた。そして、パンストをゆっくり下ろし始めた。むちゃくちゃ恥ずかしかった。パンストは膝の上まで下ろされてしまった。そして、今度は、女王様の手がパンティにかかった。パンティがゆっくり下ろされ始めた。女王様は、まずお尻をむき出しにした。そして、平手でお尻をスパンキングされた。気持ちよかった。絵夢がすごく興奮しているのを女王様はご覧になっていた。
とうとう、パンティの前が下ろされて、ペニクリがむき出しになってしまった。自分の前の鏡を見ると、女性の姿で天井から吊られた自分の股間には、おちんちんがおおきくなっているのがはっきりと見えた。何とも表現のしようがない興奮に包まれた。
女王様は、絵夢のペニクリにコンドームをつけた。そして、絵夢のペニクリをしごき始めた。これがまたすごい快感だった。絵夢はあっというまに頂点に達して、コンドームの中に白い液を噴出させてしまった。
天井から吊られていたロープを解かれると、絵夢は床に崩れ落ちてしまった。体中の力が抜けた状態だった。それほど強烈な快感を感じたのは、初めてだった。タバコを1本吸わせていただいてから、のろのろと身体を起こした。
お化粧を落とす方法を教えていただいてから、浴室に入ってお化粧を落とし、シャワーを浴びた。すごくすっきりしていた。
これが、最初のお化粧と、お化粧をした状態でのSMプレイの体験だった。未知の扉を開けたのだった。男性の状態で責められるよりも、お化粧をして女性になりきって責められるほうが快感が強かった。そして、お化粧をした自分がすごく自然で心の底に女性の心があることを自覚したのだった。
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