第2章 エリザベス会館

 女装SMクラブに行った翌日、雑誌の広告で見ていたエリザベス会館へ行ってみることにした。JR総武線の亀戸駅で降りて線路沿いに少し歩いたところに、エリザベス会館があった。(今は、浅草橋に移転しています)
 ドアを開けると、1階はショップになっていた。アウターやインナーが所狭しと並べられていて、驚いてしまった。カウンターで説明を受けて、着替え券を購入して、2階へ上がった。そこは、着替えやお化粧をするスペースとサロンやスタジオになっていた。
 服もレンタルすることにしていたので、まず服を選んだ。シンプルな黒のカットソーと黒のミニスカートにした。そして、更衣室で服を着替え、ビジター用のロッカーに着てきた服を入れた。エリザベス会館のドアを開けた瞬間からずーっとドキドキしっぱなしだった。喉がカラカラだった。
 着替えを終え、顔を洗って髭を剃った。そして、化粧台の前に案内された。化粧台の前に座ると、メイク担当の女性が化粧を始めてくれた。化粧水で肌を整え、ベースファンデーション、カバー力のあるファンデーション、おしろい、そして、アイメイクアップ、頬紅、口紅と手際よくお化粧が進んでいった。前日同様に、鏡の中にはもう一人の絵夢が座っていた。ロングのかつらをつけてもらって、お化粧が完了した。
 奥の部屋がサロンになっていた。サロンに入ると、すでに何人かの女装者が談笑していた。係りの人が、絵夢を紹介してくれた。喉がカラカラだったので、コーヒーを飲んだ。サロンにいた女装者たちが、いろいろ話しかけてきてくれて、やっと気持ちが落ち着いていった。同じ趣味の人たちとのお話は楽しかった。
 サロンの奥は、スタジオになっていた。そこで、1枚ポラロイドの写真を撮ってもらった。フラッシュが光る瞬間、快感を感じた。
 楽しい時間はあっという間に過ぎていった。会館の終了時間に合わせて、お化粧を落とした。そして、1階のカウンターに戻って、ロッカーを借りる手続きをした。そして、シンプルなミニスカートと白のカットソー、下着を少し購入してロッカーにしまった。エリザベス会館デビューは、ワクワクとドキドキの連続で楽しい一日だった。
 その後、月に1・2回のペースで、エリザベス会館に通うようになった。回を重ねるうちに顔見知りも出来て、おしゃべりも楽しくなった。いろいろな情報を教えてもらえて、すごく参考になった。ベテランの女装者は、新宿のお店に遊びに行ったりもしているようだった。そのときは、後に自分が新宿の夜の街を歩くようになるとは思っても見なかった。
そして、日が経つに連れて、持ち物もだんだん増えていった。それは、スタジオで写真を撮ってもらうと、また次の服が欲しくなるという、実に良く出来たエリザベス会館のシステムがあったからだと思う。身のこなしや、言葉遣いも教えてくれるので、初心者にはとても助かるシステムだった。
 会社の勤務を終えてから、エリザベス会館へ行く為、いつもお化粧していられるのは、2時間程度だった。また、外出は出来ないシステムだったので、サロンでおしゃべりをしたり、スタジオで写真を撮ってもらったり、1階のショップに下りて買い物をしたりして過ごした。外に出ないので、かなり大胆な服装でも大丈夫だった。ショップでボンデージ系の衣装を売っていたので、購入した。
 2年位、エリザベス会館に通っていると、また、何か刺激が欲しくなってきていた。
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